ミナカ小田原で鉄道ウォッチ
親子鉄の新名所「ミナカ小田原」
小田原駅に親子鉄が楽しめる新名所が誕生した。2020年12月4日にオープンした「ミナカ小田原」である。妻と1歳10ヶ月の息子を連れて訪れてみた。
小田原は神奈川県西部の主要都市で交通の要衝。箱根観光の拠点でもある。それもあってか小田原駅では見られる鉄道の種類が多い。東海道線新幹線、東海道線(上野東京ライン、湘南新宿ライン含む)、小田急線、箱根登山鉄道、大雄山線。鉄道事業者数で言えば、JR東日本、JR東海(東海道新幹線)、小田急電鉄、箱根登山鉄道、伊豆箱根鉄道の5社に及び、ウィキペディアによると2004年まで日本最多だったそうだ(現在は横浜駅*1)。
各社が運行する列車のバリエーションも豊富。東海道線では特急踊り子号とサフィール踊り子号。そして小田急線の代名詞ロマンスカーにはGSE、VSE、EXE、EXEαがある。これらに加えて新幹線や箱根登山鉄道まで見られるのだ。これはすごい!
ミナカ小田原でランチを食べながら鉄道ウォッチ
ミナカ小田原のいいところはご飯を食べながら鉄道ウォッチを楽しめること。ミナカ小田原の3階は西湘フードスタジアムというフードコートになっていて、大人も楽しめるラインナップになっている(というか、酒を提供してくれるお店もありむしろ大人のほうが楽しめるかも)。ラーメン、地魚、カレー、カルビラーメン、そば、まぜそばなどなど、小田原の地魚や足柄牛も食べられる。ショッピングモールなどにあるフードコートのレベルは最近かなり上がっているが、ミナカ小田原も魅力的なラインナップを揃えている。その土地の名産が食べられるのはなんともうれしい。
このフードコートからの鉄道ビューが抜群なのだ。東海道線はかなりの至近距離。小田急線や箱根登山鉄道も見える。大雄山線は見えないが、新幹線はわずかながら遠方に見える。さすがに5社が乗り入れているだけあって、相当な頻度で列車が行き交う。しかも、新幹線やらロマンスカーやら踊り子やら人気列車が来るのだ。鉄道好きにはたまらない。
今回は地魚刺身定食と鯵のなめろう、足柄牛のタタキを食べた。フードコート形式だから各店でちょっとずつオーダーするなんてこともできるし、家族や友人たちと訪れたなら、それぞれが食べたいお店で注文すればいい。ちなみに妻はラーメンを食べた。
生肉が好きなのでタタキとか鳥刺しとかがあると必ずオーダーしてしまう。
ミナカ小田原の屋上から鉄道ウォッチ
ミナカ小田原の屋上には無料の足湯がある。足湯は海側にあるので足湯に入りながら鉄道を見ることはできないのだが、足湯から見える相模湾の眺望は実に見事である。
鉄道は屋上デッキから見える。北側なら新幹線、東海道線、小田急線、大雄山線がばっちり見えて、南側なら東海道線やロマンスカー、箱根登山鉄道を拝むことができる(新幹線はかろうじて)。息子はベビーカーから鉄道ウォッチ。ベビーカーから降りて見たがったが、降ろすと立ち入り禁止の植栽に入ろうとするので、ベビーカーからで我慢してもらった。デッキに椅子があるとありがたいが、屋上の眺望がとてもいいので、椅子を設置してますます快適になると人が滞留してしまって景色を楽しめなくなる人も出てくるだろう。そこまで求めるのはさすがに欲張りだ。
それにしても新幹線は本数が多い。あれだけ高速な列車を短い時間間隔で日々運行させるなんて、本当にしっかりとしたシステム設計とそれを動かす人々の骨折りがあるのだと思う。乗車しても新幹線は本当に快適。まさに世界に誇る日本の鉄道だ。
ロマンスカーは色のバリエーションがあって、デザインもかっこいい。アラフォーのおじさんにとって思い出深いロマンスカーは3100形NSE。小田急線といえばロマンスカー、ロマンスカーといえば展望席。ロマンスカー=展望席というスタイルを確立したのが3100形NSE(EXEなど展望席がないロマンスカーもあるけど)。僕が小さい頃の鉄道図鑑のロマンスカーは3100形NSEであり、展望席に乗ることが憧れだった。その夢はいまだ実現せず、近い将来息子を乗せる口実で僕が展望席を楽しみたいと思っている。
時間に余裕があれば是非とも行きたいビストロ回転寿司「禅」
小田原には僕が大好きな回転寿司がある。ただの回転寿司ではない。ビストロ回転寿司である。今では鎌倉の支店があるようだが、唯一無二の存在といっていい。ビストロと回転寿司なんて話題先行のお店だと偏見を持ってしまうが、ところがどうして、回転寿司としても美味いしビストロとしても美味い。いずれのレベルも高く、それぞれ単体で勝負できると思う。
家族連れのお客さんが多く、店員さんも子供に優しく接してくれる。美味しいビストロ料理を満喫できる一方で、回転寿司らしいお手軽さも併せ持つ、親子鉄にとって実に使い勝手と満足度が高いお店なのだ。
ビストロと回転寿司という異種格闘技のような不思議な組み合わせだが、いざ食べてみるとビストロ+回転寿司は理に適った業態だと納得する。ビストロと寿司は味の方向性がまったく違う。だから、一見両立しないように見えるのだが、味の方向性が違うがゆえに口の中がリセットされて寿司もビストロメニューも単体で食べるよりもたくさん食べられてしまうのだ(少なくとも妻と僕は)。
以前、寿司の食べ放題に行ったときに感じたのは、意外に飽きる、ということである。ネタを変えても生の魚介類とコメの組み合わせという基本形は変わらず、食べ放題だからといってそんなにガツガツ食べられるものではないのである。
だが、ビストロと寿司はまったく異種であるため、寿司をしばらく食べた後にビストロメニューを食べると、口の中の寿司感が一度リセットされて寿司を新たな気持ちで迎え入れることができる。逆も然りでビストロメニューを続けたあとに寿司を食べるとやはり口の中のビストロ感が一度リセットされて、再びビストロメニューをどんどん食べられるようになる。この店はじめたとき、そこまで計算したのかわからない。ビストロと寿司という人気ジャンルを足してみるというシンプルな発想だったのかもしれないが、足し算ではなく掛け算的に魅力が増幅されているのだ。
今回は、寿司で中トロ、アカヤガラ、赤貝、シマアジ、イクラ、コハダ、シメサバなどなど。ビストロメニューではバーニャカウダ、オマールエビのアヒージョ、うずらのももの唐揚げ、カサゴ唐揚げ、あん肝ポン酢、カプレーゼ、ティラミス、ピスタチオのアイスなどなど。子供にはカッパ巻き、ツナマヨ、ポテトフライにバーニャカウダの野菜やうずらのももの唐揚げをちょこちょこ。お酒は丹澤山とあと一つ日本酒。2020年の外食食べ納めと言ってもいいくらいたくさん食べて、心の底から満足した。何食べてもはずれがない。
r.gnavi.co.jp
ミナカ小田原と小田原駅の売店でお土産を購入。飯田商店は小田原ではなくお隣の湯河原町にある超有名なラーメン店。数年前に食べたことあるけど、美味しさの衝撃が走った。今ではさらに人気店になっているから、また食べたいと思っているけど、当分食べられないだろう。となかば諦めの境地だったから、お土産ラーメンは即買い。小田原は鉄道も食事もコンテンツ強すぎ。何度でも再訪したい街だ。
ミナカ小田原には天成園の別館もあり宿泊ができる。部屋によっては行き交う列車が見られるかもしれない。箱根から運んだ温泉にも入れるようだし、新型コロナウイルスが落ち着いて気兼ねなく旅行ができるようになったら、今度は天成園に泊まって小田原駅の鉄道ウォッチを楽しみたい。