鉄道親子鷹

鉄道好きの子供と父親の鉄道観察日記。

久が原の東嶺公園から東急池上線ウォッチ

  

久が原駅近くの東嶺公園に行く

1歳10か月の我が息子は大の鉄道好き。今日(2020年12月13日)は久が原駅近くの東嶺公園で東急池上線ウォッチだ。

 

最近仕事が忙しくて週末も作業してたり、子供が風邪気味だったりして、ずいぶんと本物の電車をじっくりと見ていなかった。日曜日の今日も仕事をする予定という悲しいスケジュールながら、さすがにそれでは子供がかわいそう。お笑い芸人ダーリンハニーの吉川さんご出演の「鉄道ひとり旅」の録画を子供は飽きずに見てくれるから、案外子供はなんとも思ってないのかもしれないが、こんなに鉄道好きならやっぱり子供には本物を見せたい。というわけで家からちょいと歩いたところにある東嶺公園に赴いたのである。

 

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池上線を至近距離で見られるのがこの公園の素晴らしさ。柵があるから子供が興奮して道路や線路に飛び出すなんてこともない。ベンチがあるから親は腰を下ろして安心して子供が電車を楽しむ姿を見守ることができる。滑り台など公園定番の遊具もあるから、仮に電車に飽きても大丈夫。もっとも我が子は池上線が好き過ぎて、遊具で遊ぶという発想はまるでなく、30分ほどずーっと公園から線路を眺めていた。鉄道には子供の関心を惹きつける魅力がある。

 

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動画でも満足してくれる我が息子。でも久しぶりに見る本物はやはり格別だったようだ。公園近くの踏切の警報機がなるやいなや、興奮して池上線が見える場所まで猛ダッシュ。連れてきてよかった。動画で日本各地の鉄道を見るのも楽しいけど、本物に勝るものはない。鉄道を好きになって困ることはないけど、動画ばかり見せるのは親としてもちょっとした罪悪感を伴うし。

 

東急池上線について

池上線は蒲田と五反田を結ぶ。全体で約10キロ。時間にして約30分。短い路線だ。車両はすべて3両編成。沿線は駅前に小規模な商店街が広がる閑静な住宅街が中心。都心ながらちょっとローカル感がある路線である。僕が池上線沿線に引っ越してから約3年。とても住みやすいエリアだと思う。

 

ウィキペディアによると、池上線では1000系と7000系の二つの形式の車両が運用されている。1000系のほうが古く運用開始は1993年まで遡る。7000系は2007年年から。見た目の違いは一目瞭然で、1000系の前面形状はまっ平であるのに対して、7000系は流線型。もちろん1000系のほうが歴史が長いから、全体的に使用感はある。アラフォーの私から見ても1000系はノスタルジーを刺激する懐かしい形状だ。

 

池上線は池上にある日蓮宗のお寺「本門寺」参詣客の輸送を目的に1922年に開業した鉄道である。蒲田駅から本門寺まで約3キロ。昔の人ならそれくらい歩きそうだから、わざわざ3キロのために鉄道を敷設するというのはずいぶんと大胆な投資に思える。鉄道を敷設するにはインフラ整備のために多額の資金が必要だ。わずか3キロの路線で採算が合うのか?

 

なぜ参詣客目当てに鉄道がつくられたのか? 

池上線に限らず、昔は参詣客を当て込んだ鉄道敷設は珍しいものではなかった。今と違って通勤や通学での鉄道利用はそれほど多いわけではない。一般人にとって鉄道は縁遠い存在だった。

鉄道会社としては由々しき問題だ。日常生活で鉄道を使ってもらえないとすれば、鉄道を使ってもらうためにその魅力をアピールしないといけない。主要幹線を除けば、人が鉄道に乗るのはレジャーとか旅行目的になる。江戸時代にお伊勢参りが流行って農民までが伊勢神宮を目指したように、かつては寺社仏閣への参詣が人々にとってメジャーな娯楽だった。

だから鉄道会社は参詣客に目をつけた。京浜急行電鉄の前身である大師電気鉄道はその名のとおり、川崎から川崎大師を結んだ路線であり、開業も近隣住民が川崎大師を詣でる「初大師」の1月21日を選んだ。東武鉄道西新井大師を経由するが、単純に主要都市だけを結ぶなら北千住から草加を結べばいい。わざわざ迂回して西新井大師を経由したのは、もちろん西新井大師の参詣客の需要を狙ってのことである。このように、昔は参詣目的のために鉄道を敷設したり、参詣がしやすくなるようなルート設定をわざわざしたり、参詣と鉄道敷設は密接な関係があったのである*1

池上線が採算に合ったかはわからないが、本門寺は日蓮宗大本山だし、日蓮の命日である10月13日に催されるお会式は相当な人出になる。少なくともお会式のときは大入りだったに違いない。池上線から日本の鉄道の歴史を一端を垣間見ることができるのだ。

 

さて、次はどこに行こうか。

 

食事をするなら

近辺で食事をするならトンカツの自然坊がいい。大田区は檍や丸一、燕楽など名店が多い。いずれも美味しいけれど、僕は自然坊が一番好き。ロースかつ定食とヒレかつ定食のいずれも2700円とやや高い値段で、雰囲気は落ち着いてちょっと上品。でも価格に見合う味だと思うし、トンカツだけでなくお酒や一品料理も充実していて、一品料理の味も秀逸。飲める美味しいトンカツ屋。僕はトンカツがあらゆる食べ物の中で上位3つに入るほど大好き。だから、ご近所にこれだけ美味しいトンカツ屋があって本当に良かった。

 

とんかつ 自然坊
〒146-0085 東京都大田区久が原4-19-24
5,000円(平均)2,500円(ランチ平均)
r.gnavi.co.jp

 

 

 

*1:今尾恵介『駅名学入門』中央公論新社、2020年、92-94頁。